ちょっと前に担当した覚醒剤所持の刑事事件、国選弁護の否認事件の紹介です。
逮捕された方は、「金無くてさ、知り合いからシャブ((覚醒剤)をカタに金取ろうと思って」
で、シャブ仲間!?の知り合いに「シャブ山ほどあるねん、○○円で売ったるで」と持ち掛け、氷砂糖をせっせと砕いて袋に詰めて知り合いに売りつけたとのこと。
もっとも、知り合いさんもシャブ道のベテラン(汗)だけに、丸ごと氷砂糖ではすぐにバレてしまうので、『味見用』に本物のシャブ(覚醒剤)の小さいパッケージもセットで渡したそうです(シャブ持ってるやん・・)。
ところが、その知り合いが警察に通報し、鑑定したら、氷砂糖の袋の方から覚醒剤反応が出て、覚醒剤の所持の罪で逮捕されてしまい、「そんなはずない!」と。
実際の裁判では、鑑定に関わった警察(科学捜査研究所、略して科捜研)の担当者や売りつけた相手本人との尋問合戦になりましたが、判決では、氷砂糖の袋に関しては「覚醒剤が混入していたとの点には疑いが残る」となって処罰無しとなりました(^_^)v。といっても、味見用の覚醒剤を持っていたのは事実なので、無罪にはなりませんでしたけど(偽の覚醒剤を売りつけて代金をせしめたのは詐欺じゃないのか?って気もしますが、そこは裁判にならなかった)。
氷砂糖の袋から覚醒剤反応が出た理由は不明ですが、氷砂糖を売りつけられた知り合いが、腹いせに味見用の覚醒剤を氷砂糖の袋に混ぜ込んだとか?(あくまで推測です)。
カラフルな模様のあるお爺さん😅でしたが、無事にお勤めを果たされて、出所後に電話でお礼の連絡を頂きました。「もう歳やし、これからは女房と2人、大人しく余生を送りますわ。先生も頑張って下さい。」と笑って電話を切られました。
あれからしばらく経つけれど、言葉どおり、警察沙汰とは無縁の生活を送っておられたらいいな、と思っています。

この事件、国選弁護事件(弁護士の費用は国(※法テラス)から支給)だったのですが、氷砂糖の袋の方が処罰無しでも、「(味見用の)覚醒剤所持で有罪になった」事実に変わりはない、ということで成功報酬加算はナシ・・・最初から氷砂糖かどうかが争点で、こちらの言い分が認められたのに、なんだかなあ(~_~;)
まあ、国のお金ですから、予算の点で線引きしなければならないのは仕方ない(でも、もうちょっとだけ融通利かせてくれてもいいんじゃないの😠)
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