相続のご相談で、「沖縄の市役所から固定資産税の請求が届いて・・亡くなった親族が沖縄に土地を持っていて、私がその相続人だから支払い義務があると言われて・・そんな土地要らないんですけど。」という話で始まった案件でした。
 相談者ご本人は、何十年も前に本州へ転居されていて「今さら沖縄の土地なんて貰っても・・」というお気持ちだったようです。
 不動産登記簿を見ると「雑種地」となっているし、固定資産税の評価額も広さのわりに低額だし、税金払うぐらいなら放棄したいお気持ちも分かるなあ、でも相続放棄の期限(被相続人の死亡後3か月以内)はとっくに過ぎているし、他の相続人と話し合って放棄するしかないか、なんて、相談を受けた当時は考えていたのです。
 ところが、沖縄に住む関係者の1人に電話で土地の現状を問い合わせた際、ふと、その人が「ここ軍用地よ、賃料どうするのさ(←しまんちゅ)と漏らしたのです。
 軍用地の知識が全くなかった私は『軍用地って?』でしたが、待てよ、賃料貰えるといってる。ひょっとして価値がある土地なのかも☆彡となり、沖縄の友人の弁護士に聞いてみたのです。そしたら・・・

軍用地は超優良物件!!

友人弁護士曰く、軍用地は、
 ・防衛局が一括で借り上げてアメリカ軍基地や自衛隊基地等に貸し出している。
 ・賃料は、毎年、防衛局から軍用地地主会を通し各土地の所有者に支払われる。
 ・軍用地を売却する場合、場所により年間賃料の35倍~40倍の値段で売れる

という、収益性が非常に高い土地のため、ほとんどの場合、売り出したら2~3日で買い手がつく、とのことでした。
(友人弁護士)「どこの土地ですか?ああ、そこだったら○○基地ですね、あそこは大きいからめちゃ人気物件ですよ」
 慌てて軍用地地主会に問い合わせし、対象の土地の賃料を確認したら、300万円超/年!
 ・・・ってことは、300万×35=1億500万円で売れる可能性がある・・・

 うわっ、相続放棄してなくてヨカッタ・・・

 その後、モロモロありましたが、遺産分割調停を経て無事に売却し、売却代金を相続人で均等に分けることで解決に至りました(調停になってからは、さすがに沖縄の裁判所に気軽に赴くわけにもいかず、沖縄在住の他の相続人の代理人弁護士に売買契約等の面倒な手続を全部お引き受けいただきました。感謝)
 それにしても、まさか、二束三文と思った土地が軍用地に化ける(実際は、知らなかっただけで化けたわけじゃないんですが)とは・・・ま、世の中そんな美味しい話ばかりではないですが、こんなこともあるんだなあ、と。
 そして学んだこと・・・何があるか分からないから、調査は徹底的にやる必要がある←当たり前
 この件、他にも相続人の1人が当初消息不明だったり、また別の相続人に成年後見人を就ける必要が生じたりと、いろいろ勉強になった事案でした。

どばこ

最後に・・・
 軍用地の収益性が非常に高いことは事実ですが、周辺にお住まいの方をはじめとして、軍用地の保有について様々な軋轢が存在することも、よく耳にする話です。沖縄独特の慣習や歴史的な経緯もあり、(沖縄に限らず)法律一辺倒では済まない一面が存在することを意識して忘れないようにしなければ・・・「法律バカ」にならないように心掛けます、はい。

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土橋直子法律事務所
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